千里も一里
――惚れて通えば千里も一里 逢わず帰ればまた千里
惚れた人に逢うべく向かう道のりは幾ら遠くとも苦にならない。しかし逢えずに戻る事となったなら、その道程は果てしなく長いものと感じられる事だろう。
恋心を距離や時間に例え、想いの深さを表す言葉は沢山有ります。一日千秋だの、十年一日だの例を挙げていてはキリが有りません。それだけ募る想いは恋する者を焦がし、感覚をも狂わせてしまうと告げているのでしょう。
貴方はこのように深く気持ちを傾ける恋をなさったことが有りますか?
交通の発達した現在では遠距離恋愛で有ろうとも、逢いたいと願えばそれなりに逢える世の中となりました。遠くに住む彼女へと逢いに馬を走らせ何日も、などと言う苦労が無くなった分逢瀬にかける情熱も減ったやも知れません。想いを伝える為に手紙を送る手間暇も、メールに掛かれば一瞬です。多くの言葉が相手に届けられる反面、その重さや素晴らしさが軽んじられる時代となったのでは無いでしょうか。
昨今は言葉を弄び、言葉に翻弄される者が増えて来たと感じます。日本語の誤用や過度の略語など意味合いを伝える事を主と考えるならば一見なんだ問題無いものにも思えますが、言葉が伝えるものは文字という記号ではない筈です。
物理的な距離が縮まり、代わりに精神的な距離が広がったのでは無いでしょうか。
相手との恋愛を楽しむ、気持ちの余裕を失ってはなりません。少しばかり鷹揚に構え、情緒を楽しむ程度のゆとりを得てはどうでしょうか。
遠距離恋愛
遠距離恋愛は結婚へと至る可能性が 低い、と統計的に立証されています。しかし結果が明確な分、改善策も立て易いと言うもの。歯磨きを行うことで虫歯になる確立は減ります。つまりなるべく原因を取り除いたならば、成功する確立も上がるだろうと言う算段です。
『物理的距離が開く事に比例し、心理的距離が広がる』との法則をアメリカの心理学者ボッサードは発見しました。逆を返せば心理的距離が広がらないよう心掛ける事により成就する可能性も高まると読み解くことも可能です。
では具体的に気持ちの距離を縮めるにはどうすべきでしょうか。密なる連絡は『逢いたい』との欲求を解消する事は出来ずとも、幾分埋める事は叶うのでは無いでしょうか。メールにしろ電話にしろ、相手に向け時間を使う事に他なりません。遠く離れて過ごす恋人たちにとって、言葉は何よりも手軽且つ心を篭め相手にあげられるプレゼントだと思います。言葉の繋がりは気持ちの繋がりへと交わります。遠く離れる分、普段よりも少し意識してみては如何でしょうか。
